日本から届いたバイリンガル関係の本を読みながら、私は、とんでもないことをしてきてしまったと、頭を殴られたようなショックを受けていました。
日本人家庭の子がアメリカで育ったら
放っておいてバイリンガルに育つなんてとんでもない!
下手をすると大人になってもどの言語でも抽象的思考ができず、複雑な表現もできないセミリンガルになる可能性が高いのです。
そして親も子もセミリンガル状態であることに気がつかず、結局
どちらの国の新聞さえろくに読めなくなる
場合もあることをこの時初めて知りました。
ガ〜〜〜ン!!
この時の娘は1歳9ヶ月。日本語、英語、どちらの言語も言葉として出ていませんでした。
既にりっぱなセミリンガルだったのです。
(現在では、ダブル・リミテッド・バイリンガルとも言います。)
このままでは、この子は
日米どちらの大学へいくこともできず
ろくに社会人として仕事をすることもできないのです。
もう、手遅れかもしれない。。。。
私は目の前が真っ暗になっていました。
人種差別なんて、どうにもいやなら日本へ帰れば良いのです。
でも、遅れてしまったこの子の言葉は日本に帰ったとして、果たして取り戻せるのでしょうか?
本には取り返せなかったまま、低学力児としてそのまま育っていく帰国子女たちの例がいっぱい載っていました。
人種差別より、こちらの方がもっと大問題でした。
それは、ちょうど25年前。 あと3日でクリスマスという時でした。
街は華やぎ、大勢の買い物客が楽しそうに歩いていたけれど、
私は絶望のどん底でした。
自分が大学へなんて行ってる場合じゃなかったのです。
なんか、その方がカッコいいような気がしていて、
一番大切なことが何なのか、すっかり見落としていたのでした。
ごめんね、、ごめんね。。。。
そう言いながら、私は泣きながら娘を抱きしめるしかありませんでした。
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大川 淳子
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