私が娘のことばの遅れに気づいた時〜 スタンフォードへの道5

この黒人家族は、私たち母子にとても親切でやさしくしてくれました。

黒人は虐げられた扱いをされているのに、この気高いまでの品格は何なんだろう?と思っていました。

娘と同級生の男の子もよく喋る子だったのです。

 

「アメリカの生活は慣れましたか?何かお困りのことはないですか?」

 

こんな風に私たちを気遣ってくれる素敵なご夫婦でした。

 

人種差別のことなど、とても当人を前に話題に出すことはできず、

「娘のことばが遅いのが気になっています。。」

と別の話題を振ってみました。

ところがこれが思わぬ展開となりました。

 

「英語も日本語もですか?」

「はい、そうです。。。」

 

しばらくの沈黙の後、ご主人は、

「アメリカでは、教育が全てを変えます。」

と言いました。

 

なるほど。

この人もかなりの学歴に違いない。

 

そうでなければ、この大学の教授になることはできず、息子をこの保育園に預けることさえできなかったはずでしょう。

なにしろここは、大学教授の子供が最優先で入所できるところなのです。

だから、黒人のこの男の子も堂々とここにいられるのでした。

 

「乳幼児のことばについての日本語の本はお持ちですか?」

 

そのご主人は私にそう聞いてきました。

 

夏に日本に帰った時には、そこまでの専門書は買ってきませんでした。

さて、どうやったら一番早く、効率的にそれが手に入るだろう??

当時はアマゾンのような便利なものはありません。

 

 

家への帰り道、いろいろ考えたあげく、私は日本の書店に電話をすることにしました。
本屋の店員に頼むのが一番確実なような気がしたのです。

必要ない本も来ちゃうかもしれないけれど、私が日本まで帰る時間、旅費等考えたら、どうってことはない!

 

国際電話で104につなぎ、電話番号を調べました。

「どんな本でもよいので、乳幼児のことばの教育に関するものをたくさん送ってくれませんか?」

大人買いってこういうことを言うのかもしれません。

 

 

しばらくして、いろんな本が届きました。

私は、せかされるような気持ちを抑えながら、片っ端から読みあさりました。

 

その中の一冊で、バイリンガルについて書いてある本がありました。

 

それを読んで、私は奈落の底に突き落とされたような気がしました。

 

私は、、知らなかったとはいえ、とんでもないことをしてきていたのでした。

続きはこちら

私が娘のことばの遅れに気づいた時〜 スタンフォードへの道6

 

前回の話はこちら

私が娘のことばの遅れに気づいた時〜 スタンフォードへの道4

 

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大川 淳子

大川 淳子

金城学院大学卒 二人の子に幼児英才教育を施し、自らアメリカで運転して回る、名門校受験マニア。自らの経験を生かして米国出産、バイリンガル教育、日本のインターナショナルスクール受験、米国サマースクール選択、外国人メイドの雇い方などを伝える。特に何百人もの10スクールの受験者の合否判定をした娘の経験からアメリカの学校側の価値観を伝え、母親に合格する子の育て方を伝授してきた。 また、潜在意識を利用したその気にさせる子育て方法を提案。二人の子供とけんかしたことは一度もない。

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