娘のことばを取り戻すプロジェクト第一弾 〜やり方を見つける〜
次の日、まずは、ノースカロライナ大学付属保育園に行き、いつものように娘を置いてくるだけでなく、娘の様子を伺ってみました。
他の子に比べ、体は小さいけれど手先は器用です。体の動きも早いようです。
私の方など見向きもしないで、真剣に粘土と格闘していました。
一番心配だったいじめのようなものは見られません。
まだ1歳児なので、白人の子にも人種差別という認識がないのかもしれません。
雪が積もる園庭に子供達が出て行きました。
教職の生徒たちがそれを見守り、保母さんの手が空いた頃、
私は思い切って娘のことばについて聞いてみました。
保母さんによると、
「まだ、はっきりとした英語は出て来ません。
ひょっとしたら日本語をしゃべってるのかなあというような、意味のわからない発語はしているときはあります。」
とのことでした。
よく聞いたら、なんと
この保母さんのご主人は日系3世なのでした。
この、白人と黒人しかいないノースカロライナ州で、滅多に黄色人種なんていないところで
日系人と結婚している人種差別をもたない保母さんに会えた奇跡!
こんなにありがたいことはありません!
私は、ほんの少し、暖かな灯を見つけたような気がしました!
この一件で、私はこの保育園は続行することに決めました。
少なくともこの保母さんがいるところで、娘がいじめられることはなさそうでした。
そうなれば、次から次へと体当たりで昨日思いついたことをやっていくのみです。
それから保母さんにノースカロライナ大学の幼児教育の先生を紹介してもらうようにお願いしました。
なにしろ、幼児教育で有名な大学です。何かヒントになるようなことが教えてもらえるかもしれません。
次は、日系企業に勤める他の駐在員の奥様方に聞いて見ました。
しかし、皆さまもう少しお子様が大きくて、日本で産んで数年経ってから渡米している方がほとんどでした。
うちの子のようなアメリカで産まれた1歳児が遅れたことばを取り戻すためにはどうしたらよいのか?
さらに年齢相当に読み書きできるバイリンガルにするために具体的にどのような取り組みをしたらよいのか?というような具体的な方法をご存知の方はいませんでした。
4−5歳以上で渡米してきたきたお子様の1番の問題は英語の授業についていくことだったのです。
皆さま、子供が帰ってくると一緒に集まり、子どもたちの日本語を保持されていました。
毎日とても忙しく、お子さんたちの英語の宿題や、土曜日に行われる日本語補習校の宿題をさせるだけで精一杯という感じでした。
中には、泣きながらやっているお子さんもいました。
帰国子女が自然にバイリンガルになるなんて、夢のような話。
小学生のうちからあれほど勉強したら、
日本にいたとしてもかなり英語ができるようになるでしょう。
彼らの語学力は、汗と涙と母親の努力の結晶なのです。
私は道のりの大変さを再認識し、気持ちが引き締まる思いでした。
このとき、明日からクリスマス休暇が始まるところまで来ていました。
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大川 淳子
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